Benefit of Assessment of the Severity and Effect of Early Surgical Therapy for Severe Acute Pancreatitis

1996 
重症急性膵炎に対する重症度評価の意義と早期手術の効果についてretrospectiveに検討した。対象は1985年から1994年まで当施設にて治療した厚生省基準において重症急性膵炎と診断された22例である。重症度評価として来院時acute physiologic and chronic health evaluation II (APACHE II), Ranson's score,来院時Ranson's score(5項目),厚生省予後点数,peak APACHE IIを算出し予後について検討した。来院時APACHE II,来院時Ranson's score(5項目)は来院時すぐに算出可能で治療の影響を受けない指標と考えた。全死亡率は50%であった。来院時APACHE IIは生存群7.4±5.1,死亡群13.5±5.6, Ranson's scoreは生存群4.4±1.9,死亡群6.9±2.3でいずれも有意に(p<0.05)死亡群で高く,厚生省予後点数は生存群で2.8±1.7,死亡群で6.0±2.4で有意に死亡群で高かった(p<0.01,以上mean±SD)。10例に来院後48時間以内に開腹手術が施行され(早期手術群),12例に保存的に治療された(非早期手術群)。両群間で来院時APACHE II,来院時Ranson's score, peak APACHE IIに差はなかったが,早期手術群の70%,非早期手術群の33%が死亡した(p=0.086)。さらに来院時APACHE II 10未満または厚生省予後点数5未満では有意に早期手術群で転帰が不良であった(p<0.05)。来院時APACHE II 10以上かつ厚生省予後点数5以上の群では両治療群とも転帰はきわめて不良であった。以上より,a) 48時間以内の早期手術は,急性期保存療法に比較して転帰が不良であった。b)重症急性膵炎の重症度は均一でなく,来院時APACHE II 10以上,厚生省予後点数5以上,Ranson's score 6以上は劇症型急性膵炎として他の重症膵炎と区別して考えるべきである。c)劇症型急性膵炎は治療法にかかわらず転帰不良であり,有効な治療法に関してさらなる検討を要する。
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