大学病院輸血部門の技師が輸血医学教育において果たす役割とその重要性;平成21年度大学病院輸血部会議「教育に関する調査報告」(1)

2011 
卒前,卒後における輸血医学教育は将来の安全かつ適正な輸血医療を推進していく上で重要である.しかし,大学病院の輸血部門が行う業務量は増加する一方で,教官数や教育時間には限界がある.これらの現状を明確にするために,平成21年度大学病院輸血部会議において卒前,卒後の輸血医学教育に果たす輸血部門技師の役割が調査された.89施設中70施設より回答があった. 医学部学生に対して小グループ実習を導入している施設は63施設(90%)で,血液型検査は61施設(97%),交差適合試験は51施設(81%),不規則抗体関連検査は13施設(21%)が実施していた.新卒医師に対しては37施設(53%)が小グループ実習を導入しており,血液型検査は35施設(95%),交差適合試験は26施設(70%),不規則抗体関連検査は6施設(16%)が実施していた.輸血部門技師は卒前,卒後の実習にそれぞれ59%,78%の施設で携わっていた.卒後に交差適合試験の実習が施行されている施設では,未施行の施設に比較して輸血部門技師数が有意に多かった. 以上から,大学輸血部門技師が輸血医学教育に果たす役割は大きく,教官と協力することで将来の安全かつ適正な輸血医療に貢献するものである.
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