肺癌との鑑別が困難であった原発不明癌(Extragonadal Germ Cell Cancer Syndrome)の1 例
2014
症例は26 歳,男性。発熱,腰痛,労作時呼吸困難,体重減少にて近医を受診。胸部X線上両肺野の多発腫瘤影を指摘され,当科紹介となった。胸腹部CT にて大小不同の多発腫瘤影,縦隔・肺門リンパ節腫脹,後腹膜腫瘤を認め,下大静脈内に塞栓が疑われた。左頸部リンパ節生検にて低分化腺癌と診断された。転移性肺癌が疑われたが,原発巣は不明であった。入院後急速に呼吸状態が悪化し,十分な検索ができない状況で肺癌,原発不明癌両方の可能性を考えcarboplatin とpaclitaxelを投与した。投与後いったん全身状態は改善したが,病勢は増悪・寛解を繰り返した。carboplatinとpaclitaxelが奏効したことから肺癌に準じて七次治療まで行い,診断から約12 か月間生存した。血中AFP値は軽度上昇していたが,組織は腺癌で,AFP染色は陰性であった。しかし,後に追加した染色でOCT-4が陽性となり,最終的に原発不明癌(extragonadalgerm cell cancer syndrome)と診断した。
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