うつ病・双極性障害の妊婦・授乳婦への治療

2018 
うつ病や双極性障害の女性の初発年齢は妊娠可能年齢にあたり,臨床においてはつねに妊娠・出産を念頭に薬物治療を考える必要がある.これらの患者の周産期における気分エピソードは産後にめだって出現し,しかも抑うつエピソードが多い.とくに双極性障害は周産期に気分エピソードをきたす危険性が高く,またうつ病では妊娠期には心理・社会的要因が,産後には医学・生物学的要因が発症に強く影響を与えるため,こうした特徴を把握したうえで対応にあたる.また,気分エピソードそのもの,あるいは薬物によって産科的合併症や胎児・新生児合併症をきたす危険性もあり,産科と連携していくことが望まれる.こうしたエビデンスを理解したうえで,国内外のガイドラインなども参考にして,うつ病ないし双極性障害の妊婦・授乳婦に対する向精神薬の治療をどこまで行うかを,患者やその家族に提示し,決定していく.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []