“Spot tes”によるHBeAg/anti-HBe陽性血清中のHBV DNAの検討

1985 
組み換え体HBV DNAを使用し“spot test”;によって,主としてB型慢性肝炎患者血清を対象に,血中HBV DNAの検索を行った.血清10μlを直接ニトロセルロース紙に滴下する方法により高い感度を得たが,血清100μl中より核酸を抽出し,その溶解液を検索することにより,更に感度を向上することができた.HBsAg持続陽性者240名中,HBeAg陽性では93.1% (108/116), HBeAg, anti-HBe共に非陽性では34.5% (10/29), anti-HBe陽性では15.8% (15/95)が血中HBV DNA陽性であり,HBsAg陰性者中にも“spot test”陽性者が4名存在した.HBeAg陽性で血中HBV DNA陰性,anti-HBe陽性で血中HBV DNA陽性とHBeAg/anti-HBe系と血中HBV DNAの有無の間には解離があり,それは組織学的にnonspecific changeの症例では認められず,病変の進行と共に増加する傾向があった.すなわち,進行した病態では,血中のHBV DNAはHBeAg/anti-HBe系では規定しえないと考えられる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    18
    References
    1
    Citations
    NaN
    KQI
    []