Endocrinological enviromment and testicular volume in male chronic hemodialysis patients

1989 
男子慢性血液透析患者における睾丸機能について, 内分泌環境の変化と, 睾丸容量の変化を検討した.内分泌環境の検査として, 末梢血中のLH, FSH, PRL, testosterone, estradiol, ACTH, cortisolおよび亜鉛について測定し, 睾丸容量についてはorchidometerと, より客観性を得るために超音波断層法による測定も行った. 症例は15例の男子慢性血液透析患者であり, 対照として血中BUN, Crが正常値を示した23例を用い, 比較検討するとともに男子慢性血液透析患者については, 特に透析期間と内分泌環境, ならびに超音波断層法による睾丸容量の変化について検討した.1) 男子慢性血液透析患者群と対照群における内分泌環境, ならびにorchidometerによる睾丸容量の比較男子慢性血液透析患者群では, 対照群と比較し, LH, FSHは有意に高値を示し, testosteroneとorchidometerによる睾丸容量は有意に低値を示した.2) 男子慢性血液透析患者における透析期間と内分泌環境, ならびに超音波断層法による睾丸容量の関係透析期間とLH, FSHは有意な正の相関を示し, testosteroneは有意な負の相関を示した. しかし, 超音波断層法による睾丸容量は透析期間と有意な正の相関を示し, 透析期間が長くなるほど, 睾丸容量が増大するという結果を得た.これらのことから, 男子慢性血液透析患者では明らかに睾丸機能の低下を認める一方で, 睾丸容量はむしろ増大していくという結果となり, 男子慢性血液透析患者の睾丸における間質の浮腫, 結合組織の増加の結果として, 睾丸容量が増大する可能性が示唆された.
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