Histologic and cytogenetic changes of endometrial carcinoma associated with successive transplantation on nude mice, and its sensitivity to chomotherapeutic agents.

1986 
本研究は子宮内膜の癌形成における1番染色体長腕部を含む染色体変化の役割を明らかにすること, および子宮内膜癌の治療モデルの作成を目的とした.このため無胸腺マウスを用い未分化型子宮内膜癌移植株を作成した.1代目腫瘍の組織では充実性と管状構造の混合型を示したが4代目腫瘍では後者が主体となった.原腫瘍には存在しなかったエストロゲン受容体が5代目腫瘍に検出された.この結果は継代移植が細胞の分化を誘導したか, または分化型細胞が特に選択されたかを示している.これら表現型の変化に対し, 細胞遺伝学的変化を調べるため, 1代目および4代目腫瘍の染色体分析を行った.t.dic (1;16) マーカー染色体が全細胞に観察された.この1番染色体上の変化はtumorprogressionによる2次的変化より癌化に関与した変化であることを想像させた.しかし, ほかには4倍体化した変化以外観察されなかった.5代目腫瘍で種々の化学療法剤の感受性を増殖抑制および組織的変化の面から観察した.CDDPおよびADMが有効であったが, 腫瘍減少には至らなかつた.効果のなかったBLMおよびPLM投与群で多様な染色体異常が観察された.このことは効果のない薬剤の使用がtumor progressionを促進させる可能性の存在を示した.
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