中心静脈(CV)ポート合併症の検討

2012 
目的: 中心静脈(CV)ポート留置に伴う合併症を検討するため,われわれは当院でポート留置を行った患者につき調査を行った。方法: 対象は2006 年1 月~ 2011 年12 月までに当院にてCV ポート留置を行い1 か月以上観察した担癌患者171 例で,臨床的因子と合併症の関連を検討した。結果: 171 例のうち化学療法目的が119 例,栄養・輸液目的が52 例で,合併症によりポート摘出を受けた患者は35 例(20.5%)であった。合併症の内訳は,感染24 例(14.0%),ポート埋没部創離開2 例(1.2%),カテーテル閉塞6 例(3.5%),静脈血栓1 例(0.6%),カテーテル断裂・逸脱が2 例(1.2%)であった。年齢,性別,挿入部位目的,挿入目的,術者,カテーテル素材,bevacizumab 投与,留置期間などの因子と合併症の頻度に有意な関連性は認められなかった。まとめ: CV ポートの合併症は高率に発生し,比較的早期から発症するため,定期的な診察・検査が必要と考えられる。
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