経肛門的直腸内超音波検査および Tonometer が有用であった両側内腸骨動脈瘤を合併した腹部大動脈瘤の1治験例
2001
両側内腸骨動脈瘤を合併した腹部大動脈瘤の外科治療に対して, 術中経肛門的直腸内超音波検査を施行し, 両側内腸骨動脈瘤空置術を決定した. 症例は72歳, 男性. 術前CTで, 腎動脈下に腹部大動脈瘤を認め, 両側総腸骨動脈瘤, 両側内腸骨動脈瘤を合併していた. 右内腸骨動脈瘤は血栓閉塞. 術中, 経肛門的直腸内超音波検査にて, 左総腸骨動脈遮断下の上直腸動脈流速は遮断前後で変化せず, 腎動脈下腹部大動脈遮断で流速は低下したが, flow pattern は保たれていた. 腸管虚血は生じないと判断し, 両側内腸骨動脈瘤空置, 人工血管置換術を施行した. 術後は Tonometer でS状結腸粘膜内pHを測定した. 術後25時間でpHは正常化した. 術後経過は良好であった. 術中経肛門的直腸内超音波検査および Tonometer は両側内腸骨動脈瘤を合併した腹部大動脈瘤術式の決定や術後の経過観察に有用であった.
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