Stereotactic Aspiration Surgery and the Treatment of Hypertensive Intracerebellar Hemorrhage

1999 
高血圧性小脳出血46例について,治療手段別に入院時神経学的重症度(NG),血腫量および予後(GOS)を分析した。46例の内訳は男12例,女34例,年齢44-84歳(平均65歳)であり,治療手段別にみると,水頭症治療のみの4例を含む非外科治療群は24例,外科治療群は22例で,22例中12例はstereotactic aspiration surgery(以下AS), 10例は開頭術による。手術時期については開頭術は全例急性期,ASは12例中発症48時間以内の急性期例は5例で,いずれもドレナージあるいはシャント手術を併行し,残り7例は発症後7-12日目(平均9.4日)の亜急性期に施行した。全体予後はgood recovery (GR) 18例,moderate deficit (MD) 12例,severely disabled とvegetative stateの合計(SD+VS) 4例,dead (D) 12例で,morbidity 34.8%, mortality 26.1%であった。非外科治療群中GRまたはMDの17例はNG1-2が15例NG3が2例で,いずれも血腫量10ml以下の例であり,これらの例については,水頭症の発生に注意を要するが,通常外科治療の適応はない。また,開頭術群10例中8例はNG4aまたは4b,血腫量25-40mlの大血腫例で,MD1例,SD+VS2例,D5例であった。これに非外科治療群のD6例を加えた14例はいわゆる激症型出血例であり,手術の有無にかかわらず予後は不良である。一方で,開頭術群のGR2例(NG2と3,血腫量20ml)については,retrospectiveにASの適応であったと考える。AS群12例には,NG1-4a,血腫量9-25mlの例が含まれている。治療結果を再考すると,亜急性期例7例のうち5例はNG2-3で予後良好であり,ASが有用と考えられたが,NG1とNG4aの2例はAS適応外であった。また急性期例5例は,NG2が1例,NG3が1例,NG4aが3例で,血腫量との相関はなく,予後は全例GRまたはMDと良好であった。高血圧性小脳出血に対するASは開頭術と比較し手術侵襲が小さく,亜急性期における機能改善目的のみならず急性期における救命目的としても有用な治療手段と考える。
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