CDGP/S-1併用療法が奏効した高齢者進行肺扁平上皮癌の1 例

2012 
症例は74 歳,男性。健診で胸部異常影を指摘されて紹介受診。2010 年1 月のCTにて左上葉S1+2 に39×32 mm 大の腫瘤影を認め,生検にて肺扁平上皮癌の診断を得た。縦隔に25 mm大の大動脈下リンパ節を含む多発リンパ節転移を認め,cT2aN2M0のStageⅢAと診断した。扁平上皮癌であることを考慮し,nedaplatin(CDGP)/S-1 による化学療法を行った。3 か月後の画像評価で原発巣長径は39→18 mmと縮小し,縮小率は54%であり,RECISTによる効果判定は部分奏効(PR)であった。有害事象は1 コース目においてgrade 2の食思不振,4 コース目にgrade 3 の好中球減少(967/mL)とgrade 2 の血小板減少であった。近年,非扁平上皮癌に対して様々な新規抗癌剤が登場するなか,扁平上皮癌に対する治療の進歩は少なく,新たな治療戦略が切望されている。今回われわれは,CDGP/S-1併用療法が奏効した肺扁平上皮癌の1 例を経験した。今後,肺扁平上皮癌に対する本治療法の有効性と安全性の検討が重要と考えられる。
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