日本におけるHPV の疫学―HPV タイプと子宮頸癌の関連性

2016 
◎子宮頸癌はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を端緒として発症する.HPV は現在150 種以上が登録され,このうち発癌に関与するハイリスクHPV(HR-HPV)として15 種類が知られている.子宮頸癌で検出されるHPV 型別の検出頻度は地域によって異なっており,わが国ではHPV 型は16,18,52,58,33 型の順で検出率が高く,海外の報告と比べ16 型の割合が低い一方で,52 型および58 型の検出率が高いことが特徴である.HR-HPV 型のなかでも型によって発癌リスクが異なることが知られており,前癌病変であるCIN でHPV16,18,31,33,35,45,52,58 型に感染していた場合,とくに癌に進展しやすい.このためCIN 病変の管理についてHPV タイピングによるトリアージの有用性が指摘されている.近年ではHPV16/18 型の感染予防を目的とした子宮頸癌ワクチンが開発され,将来的に子宮頸癌の減少に寄与すると期待されている.
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