兵庫県丹波市上滝-下滝地域の下部白亜系篠山層群下部層の層序と含礫層の結晶片岩礫のK-Ar年代

2008 
兵庫県中東部,篠山盆地西方の上滝-下滝地域の篠山川河床には,非海成の下部白亜系篠山層群下部層が好露出する.下部層赤色岩は厚さ数10 mから数100 mで,緩やかに屈曲しながら同一層準が数回繰り返す.また上部層を欠き,上部白亜系有馬層群に不整合で被われる.本地域の礫岩は石灰岩・変玄武岩類・花崗岩・結晶片岩など,篠山盆地のものには稀な礫を多種含む.構成礫種の違いから,本地域と篠山盆地域は,堆積時の水系を異にしていた可能性が高い.泥質結晶片岩礫のフェンジャイト濃集物から,271 MaのK-Ar年代を得た.結晶片岩の年代分布から,この礫は,現在では上滝-下滝地域から50 km以上北に分布する,三郡テレーン最古の蓮華帯に由来すると考えられる.西南日本の階層構造の原型が下部層堆積前に完成していて,その構成要素の蓮華帯が篠山層群堆積盆域に露出していたと考えれば,今回の礫の産出は説明できる.
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