凝固過程における第VIII因子(抗血友病グロブリン)の消費にかんする研究

1963 
抗血友病グロブリン(第VIII因子, AHF)が凝固過程において,どのように消費されていくかを臨床的ならびに実験的に研究した.血液トロンポプラスチン形成因子欠乏状態でもつとも消費がわるく,血小板減少症や実質性肝障害で消費のものが多い.脳血栓症および塞栓症,心筋硬塞症,脂血症,ネフローゼ症候群等では消費促進の傾向を示し,これらの疾患が凝固性亢進状態にあることを推察し得た.抗凝血薬投与により,消費は血友病類似の状態になり,Vitamin K1を静注すると凝固因子の増加と共に消費改善を認めた.シリコン処理管内では消費遅延し,Ca再加血漿では浮遊する血小板の多寡が消費速度に影響した.実験的血栓形成,冠硬化,心筋硬塞および肝障害家兎群でも臨床成績にかなりよく一致した成績を得た.以上の成績から凝固過程の異常を知る客観的方法の一助となるものと考える.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    1
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []