化学・放射線療法が著効した骨盤発生Ewing/PNETの一例

2007 
今回我々は,化学・放射線療法が著効し,原発巣には根治手術を行うことなく長期生存中のEwing/PNETの1例を経験したので報告する.症例は17歳,男性.右股関節痛を主訴に受診し,MRIにて右恥坐骨,右第7肋骨,頭蓋骨に腫瘍性病変を認めた.肋骨病変における生検の結果,直ちに化学・放射線療法を開始し各病巣は消退傾向を示したが,初診より1年9ヶ月後に左腸骨,右大腿骨に新たな転移性病変が出現した.その後も3年7ヶ月に渡り化学・放射線療法を継続し,いずれの病変においても腫瘍のviabilityの低下を認めたため,組織学的確認を兼ねて左腸骨転移病変に対してのみ切除術を施行し,組織学的には腫瘍細胞の100%壊死が確認された.初診時より8年8ヶ月の現在,各病変の再発ならびに新たな転移性病巣の出現を認めていないが,今後も慎重な経過観察を要するものと考える.
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