透析患者における1,25-dihydroxycholecalciferolの副甲状腺ホルモンに及ぼす効果 多施設共同研究
1990
C-PTHが7.0ng/ml以上を示した長期透析患者26名に1,25-(OH)2D3のパルス療法を行った. そのうち5例 (19%) が高Ca血症をおこしこのパルス療法を中止した. 1,25-(OH)2D3の間歇投与で高感度PTHの低下をみたが, この薬剤によるHS-PTHに対する反応には差異があり, 薬剤投与後4週間目でHS-PTHが減少を示さないslow responderと明らかな低下を示すresponderに分けられた. 薬剤投与後4週間目で同時に測定したC-PTHは薬剤投与前より低下していた. 血清Caの上昇をみないがHS-PTHの低下する症例が認められた. これらの結果は1,25-(OH)2D3に対する感受性の差異が透析患者に存在することを, 1,25-(OH)2D3が副甲状腺に直接作用する可能性を示唆していると思われた. 1,25-(OH)2D3のパルス療法により高Ca血症は高頻度におきるため, 副甲状腺機能をCaを介しないで抑制する薬物の開発が求められる.
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