Pulmonary Blastomas in National Sanatoria.

1997 
国療肺癌研究会で経験した肺芽腫8例を対象として, その臨床像および病理像を検討した.8例のうち男性6例, 女性2例であった.5例では胸痛および血痰などの自覚症状がみられたが, 残りの3例は無症状であり検診などで発見された.今回検討した8例はすべて手術例であった.術前に肺芽腫と診断されていたものは経皮針生検で診断された1例のみで残りの7例はすべて切除標本で肺芽腫と診断されており, 術前診断は困難であった.切除後の予後をみてみると2例は術後10年5ヵ月および3年2ヵ月の現在生存中であり, 3例は術後9ヵ月, 4ヵ月および3ヵ月で原病死していた.残りの3例は他病死であった.その病理組織像をみてみると生存中の2例は上皮性成分が主体で間葉系成分はわずかであり, 術後1年以内に原病死した3例では逆に間葉系成分が主体となっており, 腫瘍の病理像とその予後は深く関係していることが示唆された.
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