Endoscopic Vocal Fold Medialization Surgical Technique for Laryngeal Palsy
2011
声門閉鎖不全に対する新しい手術法として,自家側頭筋膜移植術 (筋膜移植術) が開発された。本法は喉頭直達鏡下に手術を施行でき,頸部に外切開を必要とせず低侵襲であり,声帯間隙が小さな症例に対しては極めて良好な成績を収めている。しかしながら,声帯間隙の大きな症例は本法の適応外とされその改良が望まれていた。そこで,声門閉鎖不全が大きな症例についての適応拡大を目指して,手術法を改良した。片側性声帯麻痺に伴う声門閉鎖不全症例の大きな8例に対して,全身麻酔下に,耳後部より自家側頭筋膜を採取後に,喉頭直達鏡下に本手術を施行した。披裂軟骨の楕円窩外側上方に筋膜を移植したが,全症例において移植した筋膜の脱落は認められなかった。披裂軟骨の声帯突起が内転することにより声帯が内方に移動して,声門閉鎖不全が改善した。術前に比べて術後に,最長発声持続時間の延長,発声時平均呼気流率の減少,液体誤嚥の消失,麻痺側声帯の内方移動を認めることができた。声帯突起外側に筋膜を移植することにより声帯膜様部のみならず,披裂軟骨そのものを内方に移動させる手技として喉頭直達鏡下声帯内方移動術 (筋膜声帯内方移動術) を開発した。頸部に外切開を入れずに声帯間隙が大きな症例に対応できるようになった。
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