The Effects of Microbiological Environment on the Development of Immune Function in Senescence-Accelerated Mouse (SAM)

2009 
抄 録:老化促進モデルマウス(SAM)の代表的な系統である SAMP1 系統のマウスは,若齢期から抗体 産生反応とナチュラルキラー(NK)活性が顕著に低い表現型を示すことが知られている。このような表 現型は通常の conventional 飼育環境下で生育した個体で観察されてきた。実験動物の SPF(specific pathogen free)化が進められる中で,SAM の各系統においても SPF 化が進められた。SPF 化は動物の生育 環境のうち微生物学的環境を大きく変化させるため,SPF 化によって遺伝子型の発現が変化して表現型が 変わる可能性があり,SAM 各系統の SPF 化に際してそれぞれの特徴的な表現型が維持されるかどうかを 確認する必要がある。本研究では,SAMP1 系統マウスの示す低抗体産生反応の表現型が SPF 化によって 変化するか否かを調べた。羊赤血球(SRBC)を抗原として使用し,in vitro と in vivo の両方の実験系で抗 原特異的な抗体産生反応を conventional 飼育環境下で生育した SAMP1 マウスと SPF 環境下で生育した SAMP1 マウスの間で比較した。抗 SRBC 抗体産生の低反応性の確認のために,対応する飼育環境下で生 育した C3H/He 系統マウスを比較対照とした。非免疫個体の脾臓細胞を SRBC で抗原刺激して誘発した in vitro の一次抗体産生反応は,SPF の SAMP1 マウスでも conventional な SAMP1 マウスと同様に対応する飼 育環境下の C3H/He マウスに較べて顕著に低かった。また,最適量より二桁少ない量から準適量にかけて 3 通りの投与量の SRBC を尾静脈から注射して誘発した in vivo の一次抗体産生反応も,SPF の SAMP1 マ ウスと conventionalな SAMP1マウスともに対応する飼育環境下のC3H/Heマウスに較べて有意に低かった。 これらの結果は,conventional な環境から SPF 環境に微生物学的環境が変化しても,conventional な SAMP1 系統で見られた特徴的な免疫学的表現型が SPF 化された SAMP1 系統で失われずに維持されてい ることを示す。
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