A clinicopathological study of candidemia in the elderly.

1990 
老年者のカンジダ血症 (以下カ血症と略す) 22例 (平均年齢81歳) を対象としてその病態について検討した. 基礎疾患として脳卒中後遺症や痴呆性疾患などに代表される慢性神経疾患を高率に認めた. 経過中7例に細菌性敗血症の合併を認めた. 高カロリー輸液療法 (IVH) の施行は19例 (86.4%)にみられ, IVHまたは静脈切開施行日からカ血症発現までの期間は平均46日間であった. 11例 (50%)はIVH挿入から1カ月以内にカ血症の発現をみた. カ血症発現日までに血管内留置カテーテルが1回以上交換されていた症例は14例 (63.6%) であり, カ血症発現までの平均日数は59日間であった. カテーテル未交換の症例は8例であり, その平均日数は23日間であった. カテーテル交換の有無によるカ血症発現までの期間はカテーテル交換 (-) 群が (+) 群に比し短い傾向にあった. 8例にDICを認めた. 死亡は22例中20例 (90.9%) に及び, さらに13例 (65%) はカ血症発現日から1カ月以内に死亡していた. 死因または死亡時の状況は敗血症 (真菌血症) 性 shock 6例, 下血または吐血に伴う shock 4例, 肺炎による呼吸不全4例, DICに伴う shock 3例, 肺炎を基礎にした shock 1例, (原因不明の) 急性呼吸不全1例, 心不全1例であった. 死亡20例中13例 (65%) はカ血症発現日から1カ月以内に死亡していた. 老年者のカンジダ血症の特徴として, (1)種々の基礎疾患を背景にして発症する, (2)発症因子として発熱 (とりわけ不明熱) に対する長期にわたる抗生剤投与やIVHのなされていることが多い, (3)カンジダ血症に引続いてDICを惹起しやすい, (4)死因としては敗血症性 shock, DICまたは消化管出血による shock が多い, (5)予後は極めて不良である.
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