M-solで調製した洗浄血小板および多血小板血漿(PRP)中での細菌増殖

2011 
濃厚血小板(PC)により引き起こされる輸血副作用の防止には洗浄血小板が有効である.血漿には菌の増殖を抑制する補体成分が含まれているため,洗浄により血漿濃度が減少した洗浄血小板中では,菌の増殖が促進される可能性がある.本研究では,M-solで調製した洗浄血小板中での菌の増殖動態を多血小板血漿(PRP)中でのそれと比較検討した. PRPに菌を播種し(Day0),20~24℃で24時間振とう保存した後,PRPを2等分(コントロール群とテスト群)した.テスト群の遠心上清を出来るだけ除去し,M-solを添加した(Day1).両群はポリオレフィンバッグ中でDay7まで保存した.菌数測定は寒天培地を用いたプレート法により行った. PRP中での場合と比較すると,洗浄血小板中ではStreptococcus dysgalactiaeやEscherichia coliの増殖は促進され,Staphylococcus epidermidisとStaphylococcus aureusの増殖は抑制された.洗浄血小板中でのBacillus cereusの増殖はPRP中の場合とほとんど差がなかった.Propionibacterium acnesSerratia marcescensの場合,PRPおよび洗浄血小板のいずれにおいても増殖しなかった. M-solで調製した洗浄血小板中で増殖が促進される菌株が存在するという点に注意が必要である.
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