[Validity of body fat estimation by near infrared spectroscopy in long-term care elderly patients: a comparison with skinfold thickness].

2009 
目的:本研究の目的は高齢慢性期患者の近赤外分光法(NIRS)による体脂肪測定の妥当性を検討することである.方法:対象は高齢患者群59例(男性23例,女性36例,年齢82.0±6.6歳)と若年対照群38名(男性19名,女性19名,年齢28.1±6.1歳)とした.対象の体脂肪率(%BF),体脂肪量(BFM),除脂肪量(LBM)をNIRSと皮下脂肪厚法(SF)の二法から推定し,高齢患者群と若年対照群間で男女別に比較した.結果:高齢患者群のNIRSによる%BFは男性18.6±5.8%,女性26.0±4.8%,BFMは男性8.8±3.5 kg,女性10.7±4.2 kg,LBMは男性37.7±6.1 kg,女性29.6±5.8 kgであった.男女共に,NIRSはSFに比べ%BFを有意に高く,BFMを有意に多く,LBMを有意に少なく推定した.男性の%BFは,NIRSでは群間に有意差はなく,SFでは高齢患者群で有意に低かった.男性のBFMは,両法ともに高齢患者群で有意に低かった.男性のLBMは,両法ともに高齢患者群で有意に低かった.女性の%BFは,両法ともに群間に有意差はなかった.女性のBFMは,NIRSでは群間に有意差はなく,SFでは高齢患者群で有意に低かった.女性のLBMは,両法ともに高齢患者群で有意に低かった.NIRSとSFの相関に関しては,男女共に両群の全ての体脂肪値で有意な正の相関を認めた.男女共に全ての体脂肪値で群間の回帰式の傾き,切片に有意差はなかった.結論:NIRSとSFとは異なる体脂肪値を推定しており,高齢慢性期患者ではNIRSが文献的により妥当性が高い事が示唆された.また,高齢患者群におけるNIRSとSFの相関は若年対照群と同質であり,高齢慢性期患者のNIRSによる体脂肪評価と,健常成人のSFによる過去の体脂肪研究との比較の可能性が示された.
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