外傷性脳損傷における加工幹細胞(SB623)治療―二重盲検比較対照第II相試験の実施

2017 
2016 年,外傷性脳損傷患者を対象とした細胞移植治療(治験)がスタートした.本治験は受傷後1 年以上経過した運動障害を有する外傷性脳損傷患者を対象に,サンバイオ(株)が開発した細胞医薬品“SB623”を定位脳手術によって投与し運動機能の改善を主要評価とした二重盲検比較対照第Ⅱ相試験である.偽手術群に加え,2.5×106,5.0×106,10×106個のSB623 投与群の4 群を設定し,それぞれ1:1:1:1 の割合で無作為割付けされる試験デザインは,本医薬品の有効性・安全性の評価を厳格に行うためである.わが国では本学を含めて5 施設,海外も含めると計30 施設が参加する国際共同試験である.本学において国内第一例目の手術を実施した.実施経験を踏まえて治験の概要,治験実施までの流れ,細胞移植手術の手順,期待される効果とその機序,さらに今後の展望について概説する.
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