アレルギー性紫斑病とIgA腎症における抗内皮細胞抗体 (AECA) と臨床像との関連について

1996 
アレルギー性紫斑病 (HSP,n=9),紫斑病性腎炎 (HSPN,n=9) およびIgA腎症 (IgAN,n=18),対照として健康小人 (n=20) を用い,ELISA法で牛糸球体内皮細胞 (GEN) に対する抗内皮細胞抗体 (AECA) の存在と,その臨床的意義について検討した。その結果,AECA値は,対照の平均値+2SD以上を陽性とした場合,1) IgA型AECAは,HSPN 9例中5例,IgAN 18例中5例に検出され,それぞれのIgA型AECA値も,対照に比して有意 (P<0.01,P<0.05) に高値を示した。2) IgG型AECAはHSPの1例のみで検出された。3) IgA型AECAのGENに対する結合は,GEN lysateと線維芽細胞lysateにより抑制されたが,牛血清アルブミン添加では抑制はみられなかった。4) IgA型AECA陽性例は,1g/日以上の蛋白尿あるいは細胞性半月体が10%以上存在する例であった。以上,GENに対するAECAの存在は,HSPNやIgANにおける腎炎の活動性の指標になる可能性が示唆された。
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