The Expression of Integrins on the Adhesion of Periodontal Ligament Fibroblasts.

1999 
現在の歯周治療の目標は, 付着を失った根面に結合組織性付着を獲得させることであり, 歯根膜由来線維芽細胞の根面への接着性が重要視されている。本研究では, 歯周治療の創傷治癒過程における細胞接着機構を調べる目的で, 根面性状すなわち基質の性状を含む細胞を取り巻く環境の変化が, 歯根膜由来線維芽細胞の接着形態および接着分子インテグリンの発現に及ぼす影響について検討を行った。研究方法は, ガラス板, コラーゲ歯根膜由来線維芽細胞の接着におけるインテグリンの発現について 109ンコートガラス板上に歯根膜由来線維芽細胞を播種し, インテグリンが認識するフィプロネクチンの細胞接着活性部位 (RGD配列) の有無が, 細胞接着およびフィプロネクチン, インテグリンβ1, α2サブユニット (以下インテグリンβ1, α2) の発現に及ぼす影響について, 共焦点レーザー顕微鏡を用いて免疫組織学的に観察を行った。その結果, RGDSペプチド非存在下では, フィプロネクチンの発現が認められ, さらにRGD配列を認識するインテグリンβ1が発現し, 細胞接着に主に関与していることが示された。RGDSペプチド存在下では, フィプロネクチン, インテグリンβ1の発現が減少するが, 代償性にコラーゲンレセプターとしてインテグリンα2が発現することが示された。以上のことから, 細胞は多くの接着様式の中から, 環境の変化に対応したリガンドとレセプターを選択して接着することが示された。
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