WHO が勧める医薬品の適正処方―パーソナルドラッグ(P-drug)と個別化治療

2018 
多くの医師は自分が処方しやすい薬剤を持っている.ある程度経験のある医師であれば,皆それぞれがある疾患に対してあらかじめ第一選択薬を決めている.しかし,なぜその薬剤を選択したかの根拠を振り返ってみると,曖昧のことが多い.薬剤選択に必要な集積されたデータや客観的評価法が存在しないためである.これは世界的な問題でもあり,世界保健機関(WHO)が発刊した『Guide to Good Prescribing』(GGP)は数多くの国で翻訳された.医師は自分の患者を治療する際のすべての医学的判断に責任がある.そのために,エビデンスに基づいた論理的な医薬品の適正処方のプロセスを身につけることは,きわめて重要なことである.パーソナルドラッグ(P-drug)の選択過程には6 つのステップがあり,目の前の患者の治療の前にあらかじめ行っておく.たとえば臨床研修の期間に2 週間に1 枚リストが作成できれば,かなりの数のP-drug(候補)を自分の薬籠に入れることができるであろう.数ある医薬品のなかから,自分はなぜその薬物を選択したか,その薬物の選択過程は他人に説明して納得してもらえるものなのか,を自問することは処方技術を改善していくうえで必要なことであると考える.
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