下部直腸カルチノイドに対し腹腔鏡下内肛門括約筋切除 (LAP-ISR) を施行した1例

2007 
腹部に開腹創を置かない腹腔鏡下内肛門括約筋切除術を行い, 良好な結果を得た症例を経験したので報告する. 症例は32歳女性. 検診にて便潜血反応陽性であったため大腸内視鏡検査を施行したところ, 恥骨直腸筋付着部上縁の下部直腸に径8mm大の直腸カルチノイドを認めた. 内視鏡的局所切除で完全切除が可能であったが, 病理所見にて深達度はsm, リンパ管侵襲, 静脈侵襲陽性であったため外科的追加切除を考慮した. 従来の前方切除術では肛門側断端が十分確保できない可能性があるため腹腔鏡下に内肛門括約筋切除術を施行した. 現在術後10カ月で再発無く, 肛門機能も良好である. 腹腔鏡下内肛門括約筋切除術は整容性に優れた低侵襲な術式であり, リンパ節郭清を要する下部直腸腫瘍に対する有用な術式と思われた.
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