[Strain differences in granuloma formation in mice in response to mycolic acid-containing glycolipids of some species of Nocardia and Rhodococcus].

Mycobacteriumと近縁のNocardiaやRhodococcusおよびGordona属細菌の加熱死菌およびミコール酸含有糖脂質による非特異的(異物性)マウス肉芽腫形成能を各系統のマウスを用いて比較検討した。Nocardia rubra (N. rubra: Nr.), Rhodococcus terrae (R. terrae: Rt.)およびGordona aurantiaca (G. aurantiaca: Ga.)の各加熱死菌(3mg/匹)をw/o/wミセルの形で静注することにより,7日後ICR系マウスでは肺および脾に顕著な肉芽腫形成が認められたが,C3H/Heではw/o/w control群と比べて大差が認められなかつた。また,上記の各菌種から抽出した代表的なミコール酸含有糖脂質(300μg/匹)すなわちtrehalose dimycolate (TDM)およびtrehalose trimycolate (TTM)に対して全般的にICRおよびddY系マウスは高反応性を,BALB/c, A/J, C57BL/6は中間型,C3H/HeおよびDBA/2は低反応性を示した。このことから,ミコール酸含有糖脂質の(タンパク抗原なしでの)単独投与による非特異的(foreign body type)マウス肉芽腫形成能は各系統により顕著な差が認められ,マウス肉芽腫形成における遺伝的制御の存在が示唆された。