経過中に Sweet 病を合併した高齢者間質性肺炎の1例

1999 
症例は70歳, 女性. 68歳頃より労作時呼吸困難, 乾性咳嗽が出現. 97年6月 (70歳), 当科受診. 胸部X線にて間質性陰影を認めた. 経気管支肺生検の結果は interstitial fibrosis の所見に合致し, 間質性肺炎と診断された. 経過中, 右肩, 胸部, 背部に滲出性紅斑, 口腔内アフタおよび外陰部潰瘍が出現した. 皮膚生検にて真皮への著明な好中球浸潤を認め, Sweet 病と診断. コルヒチン投与にて皮膚病変は改善し, 以降再発を見ない. 98年1月間質性肺炎の増悪による呼吸不全を認めたが, プレドニゾロンおよびシクロフォスファミドの投与にて軽快. 経過中, 高ガンマグロブリン血症, 抗SS-A抗体陽性, 口唇生検にて著明なリンパ球浸潤を伴う慢性唾液腺炎の所見を認め, Sweet 病と間質性肺炎の背景疾患として Sjogren 症候群が疑われた. Sweet 病は本症例のように背景疾患発見の糸口になることもあり高齢者診療においても注意すべき皮膚病変と考えられた.
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