Exposure of rats to a single metacercaria of Paragonimus sadoensis.

1972 
佐渡肺吸虫のメタセル力リア1個をラットに感染させた場合(単数寄生)の虫体の発育や受精卵の産出状況(虫卵のミラシジウム形成)などを,複数個のメタセル力リアを感染させた場合(複数寄生)の成績と比較しながら検討した.単数寄生では,大部分の虫体が胸腔内遊離の状態で発見され,定型的虫嚢腫の形成は認められなかった.これらの虫体から産出された虫卵のミラシジウム形成率は0.76~2.57%であり,この値は複数寄生虫体のそれ(78~86%)と較べると著しく低いものであった.ミラシジウムの卿化までに要する虫卵の培養日数は単数寄生では23~25口であり,これは複数寄生の場合の16口と比較すると著しく長い.虫体を組織学的に検索したところ,単数寄生虫体でも複数寄生虫体の場合と同様に,精子形成や卵細胞形成は正常に行なわれていることがわかった.しかし,複数寄生虫体と異なり,単数寄生虫体では受精嚢や卵形成腔に全く精子が認められず,このためにミラシジウム形成率が低いものと推察された.
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