A CASE OF CROHN'S DISEASE ASSOCIATED WITH CARCINOMA OF THE ILEUM, FOUND AFTER SURGERY FOR PERITONITIS

2009 
Crohn病(以下CD)に併発し穿孔性腹膜炎で発症した回腸癌の1例を報告する.症例は50歳代男性.11年前より小腸型CDと診断されていた.腹痛・発熱あり受診,腹腔内膿瘍と診断された.保存的治療にて軽快していたが約2カ月後腹痛・発熱が再燃し,小腸穿孔・汎発性腹膜炎と診断し開腹手術を施行した.膿性腹水および回腸の穿孔を認めたが明らかな腫瘤性病変は認めず,穿孔部および狭窄部を切除した.切除標本の精査にて,穿孔部の回腸に漿膜下に達する中分化管状腺癌を認めた.補助化学療法につき患者と相談し,術後は経過観察としたところ,再発のため術後21カ月目に死亡した.CDに併発した小腸癌は本邦では20例あまりの報告しかないが,CD患者の増加に伴って今後増加する可能性がある.CDの癌化リスクの疫学的評価,また有効な早期診断法の確立,また小腸癌の併発の可能性を念頭に置いたCDの経過観察・急性腹症の加療が必要と考えられる.
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