がん化学療法におけるナーシング・プロブレム【16】:埋め込みポート取り扱いの実際とトラブルについて

2005 
Implantable Port(以下,埋め込みポート)は,体外にカテーテルの一部が出ているカテーテルシステムに比べて,使用していないときの管理がほとんど必要なく,入浴や運動が自由にできるというメリットがある.このため,欧米のがん化学療法の現場では,末梢血管の穿刺が困難な患者,外来化学療法を受けながら仕事やスポーツを行う患者などへの血管アクセス器具として,広く用いられてきた.日本における埋め込みポートの使用は,近年まで肝動注や抗がん剤の腹腔内投与に限られていた.しかし,外来化学療法の普及とともに,抗がん剤投与を目的とした埋め込みポートを使用する患者が徐々に増えてきている.さらに,2005 年4 月より販売された新薬オキサリプラチンを含むレジメンの投与では,一般的に埋め込みポートが用いられている1).埋め込みポートからの抗がん剤投与を安全に行うためには,埋め込みポートの構造と取り扱い上の注意点をよく知っておく必要がある.埋め込みポートを使って化学療法を受ける患者にとって,埋め込みポートのことをよく知り,適切に管理し取り扱うことのできる看護師の存在は心強く,安心をもたらしてくれる.本稿では,多くのナースにとってまだなじみの薄い埋め込みポートについて,その構造や取り扱い上の注意点,管理上のトラブルや合併症について述べていきたい.また,抗がん剤投与の現場で,看護スタッフが埋め込みポートの穿刺と管理をできるようになるためのトレーニングプログラムを試作したので,それを紹介する.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []