Borderline resectable 膵癌の治療戦略

2019 
切除境界(borderline resectable:BR)膵癌とは,手術先行による外科的切除を施行しても高率に癌が遺残し,生存期間延長効果を得ることができない可能性があるものと定義されている.BR 膵癌に対する治療戦略として,手術先行ではなく術前治療の有効性を示す報告が増加している.2018 年に,韓国の多施設共同無作為比較試験によって,BR 膵癌に対する術前治療の有効性が証明された.また最近では,遠隔転移を伴う切除不能膵癌の生存期間延長に効果のあったFOLFIRINOX 療法と,ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(GnP)療法をBR 膵癌の術前治療として組み入れる臨床試験も行われている.しかし,①術前治療期間を含めた至適レジメン,②化学療法あるいは放射線化学療法の選択,③BR 膵癌において門脈浸潤のみの症例と動脈浸潤のある症例の治療方針の区別,など解決しなければならない問題は多い.
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