Preparation and Distribution of Dwarf Bamboo Leaves in Kyoto City.

2011 
京都市では, 左京区の北部山間地域でササの葉が採集され, 京都市内で食品の包装や祇園祭厄除け粽の作成に利用されてきた。本研究では, ササの葉の採集・加工方法と流通・利用状況を明らかにするとともに, 最近まで京都市内でササの葉を生産し, 利用する体制が維持されてきた要因を明らかにすることを目的とした。調査の結果, 当地域の花脊別所町と大原百井町の集落周辺の里山で, 裏に毛のないササの当年生葉が採集され, 天日乾燥されていたことが明らかになった。また, 広葉樹の択伐といった里山管理がササの旺盛な生育につながっていた可能性が示唆された。このような地域の知恵や技術により, 品質の良いササの葉を生産し, 利用する体制が最近まで維持されてきたと考えられた。一方, 2004年から2007年にかけて京都市内のササが一斉開花・枯死した以降は, 他の産地のササの葉が利用されていた。また, ササの葉の生産に関して後継者も不足していることが明らかとなった。京都市において再びササの葉を生産し, 利用していくうえで, ササの葉の生産に必要な労働力を確保すること, ササの葉の生産に関する地域の知恵や技術を伝えていくことが重要であると考えられた。
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