禁煙に関する5月の狂騒――健康増進法,たばこ規制枠組条約,BMJの論文「受動喫煙で人が死ぬことはない」
2003
環境たばこ煙(environmental tobacco smoke:ETS )は冠動脈性心疾患や肺癌をはじめとする多くの健康問題に関係する.これらをもとに2003年5月1日にはわが国で健康増進法が施行された.また5月21日にはWorld Health Org anization(WHO)のたばこ規制枠組条約が加盟国の全会一致で採択された.しかしたばこ産業はなおこれに抵抗を続けている.WHO 枠組条約が採択される直前にも権威ある医学雑誌にたばこ産業の助成によって受動喫煙の有害性を否定する論文が公表された.この論文に対して世界中から多くの抗議の声が寄せられている.医学雑誌が人を殺す製品を生産している企業の資金援助を受けた研究を掲載することは許されないというのが大方の意見である.一方WHO の枠組条約が全世界の同意で採択された限りはたばこ産業といえども国際的な協調姿勢をとってETS の排除に努力をせねばならない.
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