気管支鏡で摘出できず,右開胸下に摘出した左気管支内異物(毛蟹足片)の治療経験

2008 
症例は72歳,男性.ゆでた毛蟹の足をはさみで短く切り,蟹肉を片側から吸いながら食べているうち,殻ごと気道内に吸い込んでしまった.胸部CTで,蟹足片が気管下端から左主気管支にかけて誤嚥されているのを認めた.気管支鏡で局所麻酔下,全身麻酔下に長時間,摘出を試みたが,毛蟹の足の棘(とげ)が気管支壁に刺さり摘出不可能であった.やむを得ず,開胸下に蟹足片を摘出することにした.左側臥位とし,French-window thoracotomy法で右開胸を行い,気管分岐部直上で気管を約2cm横切開した.鉗子で蟹足片をつかんで摘出しようとしたが固定されて動かないため,はさみで蟹足片を細切して摘出した.急性の気管・気管支内異物は通常気管支鏡下に摘出可能なことが多いが,異物が強固に気管・気管支壁に固定されて動かない場合には開胸手術が必要になることがある.
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