A comparison of malignant mesothelioma with pulmonary adenocarcinoma.

1996 
一般に, 体腔液細胞診では, 悪性中皮腫と低分化腺癌との鑑別が問題となることがままある. 今回われわれは, 悪性中皮腫4例 (胸膜2例, 心膜1例, 腹膜1例) と, 中皮腫との鑑別が必要であった肺腺癌3例をretrospectiveに比較検討した.細胞所見では, 細胞集団の形状について両者で差がみられた. 核不整は腺癌で高率にみられた. 核小体は, 中皮腫では小型であるのに対し, 腺癌では小~大型とさまざまであった. 細胞質は, 中皮腫では厚いものが主であるのに対し, 腺癌では厚い~薄いものまでまちまちであった.中皮腫ではmicrovilli様のものがみられた.PAS染色は, 両者ともに陽性を示し, ジアスターゼにより中皮腫ではすべて消化されたが, 腺癌では未消化もあった. アルシアン青およびコロイド鉄染色は両者ともに陽性であり, ピアルロニダーゼにより中皮腫では消化されたが, 腺癌では消化されなかった.免疫染色では, CEAは腺癌で高率に陽性であり, 中皮腫ではほとんど陰性であったが (弱) 陽性の細胞を多少認めた例もあった. Keratin・EMAは両者ともほとんど陽性で特に差はなかった.中皮腫に対して腺癌のほうが細胞所見で多様性がみられた. また粘液染色および免疫染色の結果が鑑別に有用であった.
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