角質増殖型足白癬に対する塩酸ブテナフィン(メンタックス®)クリーム単独および尿素軟膏併用による治療の検討

1996 
角質増殖型足白癬に対する塩酸ブテナフィン(メンタックス®)クリーム単独投与および尿素軟膏との併用投与による臨床効果を比較検討した。51例に実施されたが解析対象は概括安全度については初診以降来院しなかった4例を除いた47例(単独群25例, 併用群22例), 有用性については2回以降来院しなかった5例, 鏡検不実施1例を除く45例(単独群23例, 併用群22例)でそれぞれ実施した。菌陰性化率は単独群および併用群それぞれ91.3%および86.4%であった。皮膚症状の改善率は単独群91.7%, 併用群100%であったが, 単独群に比べ併用群において効果の発現がより早期から認められた。また有効率は単独群91.3%および併用群86.4%であった。副作用は全例に認められず, 有用率は単独群91.3%および併用群86.4%であった。以上の結果より角質増殖型足白癬に対し塩酸ブテナフィン(メンタックス®)クリームは単独投与で優れた有用性を発揮し, また尿素軟膏の併用でより早期に症状の改善がみられることが明らかとなった。これらのことより従来難治性とされている角質増殖型足白癬に対して塩酸ブテナフィン(メンタックス®)クリーム単独投与あるいは尿素軟膏との併用投与は試みられてよい治療法であると考えられた。
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