Relation between the level of care needed and frailty for labial functions

2006 
目的: 口腔機能向上を目的とした歯科医療からのアプローチは, 介護予防において非常に重要である. 本研究は, 要介護度と摂食・嚥下における口唇機能との関係を明らかにすることを目的として行った. 方法: 対象は, 健康高齢者および通所型介護施設, 介護老人保健施設の入居者114名 (男性44名, 女性70名, 平均年齢81.3±6.3歳) である. これらの対象者を自立高齢者グループ, 要支援および要介護1のグループ, 要介護2および3のグループ, 要介護4および5のグループに分けて検討を行った. 結果:1)「捕食時口唇圧」の平均値は87.7±47.8Paであり, 介護度との関連は認められなかった. 2)「最大口唇圧」の平均値は296.4±153.9Pa,「口唇圧予備力」の平均値は209.6±152.3Paであり, これらは要介護の重症化に伴い有意な低下を示した (p<0.01). 3)「食べこぼし」を示した者は, 示さなかった者より,「最大口唇圧」,「口唇圧予備力」が有意に低値であった (p<0.05). 結論: 要介護の重症化に伴い口唇機能は低下することが示されたことから, 口唇機能の向上が, 食事に関する介護予防に寄与する可能性が示唆された.
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