口腔扁平上皮癌における術前TS-1・放射線同時併用療法の臨床第I相試験

2006 
術前TS-1・放射線同時併用療法におけるTS-1の至適投与量および併用期間の決定を目的に以下の検討をおこなった。術前放射線治療は2Gy/日,週5日照射で4週間40Gy施行した。TS-1の投与量はレベル1(1段階減量用量,第1,3週投与),レベル 2(基準投与量,第1,3週投与),レベル3(1段階減量用量,第1,2週投与),レベル4(基準投与量,第1,2週投与),レベル5(1段階減量用量,第1~3週投与),レベル6(基準投与量,第1~3週投与)とした。なおTS-1の投与は週5日投与・2日休薬とした。各レベルにおいて3例登録し,投与制限毒性(DLT)の発現がなければ,次のレベルへ移行した。なお,grade 4の血液学的毒性,grade 3の非血液学的毒性の発現をもってDLTとした。口腔扁平上皮癌21例(レベル1~5:各3例,レベル6:6例)を対象とした。原発部位は舌6例,口腔底4例,上歯肉4例,下歯肉5例,頬粘膜2例で,stage III:11例,stage IVA:10例であった。原発巣の臨床効果はCR 2例,PR 17例,NC 2例で,奏効率90.5%であった。組織学的効果(大星・下里分類)はgrade I:1例,grade IIa:1例, grade IIb:8例,grade III:9例,grade IV:2例であった。以上より,本法は有効な術前治療法であると考えられた。本試験はレベル6まで完遂したが,DLTは認められず,レベル7,8の追加試験を予定している。
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