Effect of a High Protein Diet on Calcium Metabolism in Sheep

1991 
高タンパク質飼料を摂取しためん羊の腎におけるカルシウム(Ca)の動態およびEDTA負荷時の血中へのCa動員量を検討した.対照飼料(CP:9.9%, ME:2.02Mcal/kg)と高タンパク質飼料(CP:19.6%, ME:2.02Mcal/kg)を6頭の成めん羊に給与し,腎クリアランス試験とEDTA負荷試験を行なった.高タンパク質飼料摂取により,尿中Ca排泄量の増加と血漿Ca濃度の減少が見られた.その要因として,糸球体濾過量の増加とそれに伴う糸球体濾過Ca量の増加が,尿中Ca排泄量の増加をもたらしたと考えられた.また,血漿遊離ハイドロキシプロリン濃度は,高タンパク質飼料区で高くなった.EDTA負荷により,血漿イオン化Ca濃度は全動物において直線的に減少したが,低下の程度は高タンパク質飼料の摂取により緩和される傾向が認められ,Ca動員量は高タンパク質飼料区で有意に増加した.EDTA負荷前の血漿上皮小体ホルモン(iPTH)濃度は,高タンパク質飼料区で高かったが,負荷時および負荷後の血漿iPTH濃度の増加は,高タンパク質飼料摂取により小さくなる傾向であった.めん羊に高タンパク質飼料を給与すると,尿中Ca排泄量の増加と血漿Ca濃度の減少がみられるが,骨吸収は促進されており,これはPTH分泌とその反応性の増加によるものと考えられた.
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