Thin-slice CT画像を用いた孤立性の転移性肺腫瘍の解析
1995
最近約2年間に切除された肺野病変の中で, 病理学的に胸郭外腫瘍からの転移性肺腫瘍の診断を得た孤立性肺野病変9例について, 術前のthin-slice CT画像と病理所見を対比検討した. CT画像は, 術前2週間以内に通常の造影CT画像を撮影した後に, 非造影helical scan CTでひと吸気保持下に病変部を中心に撮影し, 2mm幅, 2mm間隔のthinsliceCT画像を再構成した. 描出条件は統一し, 画像所見と病理所見を対比するために切除肺はCT方向に割を入れた. 画像所見の中で, 内部構造は全例で充実型であり辺縁所見ではspiculaは22%にしか認めなかったが, notchingを67%に, 胸膜の陥入像を89%に認めた. 肺血管と病変との関係では, 全例で複数の肺血管の巻き込み像を認め, 画像的に原発性肺癌との鑑別は困難であった. 即ち, 孤立性の転移性肺腫瘍は, 既往歴や病理所見をあわせた総合的な診断が必要であった.
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