Water Environmental Changes during the Past 200 Years Recorded in Recent Sediments of Kodera-ike in Takatsuki City, Osaka Prefecture, Japan

2002 
ここ数百年における人間活動の活発化が,溜池の水域生態系にどのような影響を与えてきたかを歴史的に明らかにすることを目的とし,池底堆積物を用いて珪藻およびリン・重金属(銅・亜鉛)と年代推定のためのセシウム分析を行った.調査対象の小寺池は,大阪府の高槻市に位置する沖積低地上の皿池で,池底下の堆積物2.2mを用いて約200年間の水域環境変遷の解明を試みた.その結果,(1)溜池堆積物は数年単位の高時間分解能で解析が可能であること,(2)1955年頃より栄養塩類の指標となるリンの流入量が大幅に増え,珪藻の浮遊性優占種が短期間で段階的にAulacoseira subarctica f. subborealisからStephanodiscus delicatus, S. hantzschii,さらにCyclotella meneghinianaへと変化した.この変化は人為的攪乱による水質変化に対応した珪藻群集の応答過程,すなわち富栄養化の段階を示唆する可能性が高い.また,(3)ここ数十年での珪藻の付着性優占種のNitzschia paleaからAchnanthes minutissima var. minutissimaへの変化は,現在から約150年ほど前の時代に優占していた種の復帰であり,下水道など社会的基盤の整備による汚濁負荷が減少したことに起因する可能性が高いことが明らかとなった.
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