悪性軟部腫瘍の治療経験: FNCLCC Grading SystemとAJCC Staging Systemを用いた検討

1980年～2004年までに当科で治療を行った悪性軟部腫瘍33例について治療方法および予後を検討した。また, 病理組織学的調査が可能であった30例に対し, 病理組織学的悪性度 (FNCLCC system) , 臨床病期 (AJCC system) , 予後を検討した。治療は全例外科的切除を行い, 術後補助療法は12例に化学療法, 12例に放射線治療を行った。病期分類が可能であった32例でFNCLCC system, AJCC systemを用いて評価を行った結果, 腫瘍の病理組織学的悪性度, 臨床病期の進行と患者の予後の間に相関が認められた。FNCLCC systemとAJCC systemは, 再現性のある悪性度分類が可能であるとされる。悪性軟部腫瘍は様々な組織型があり, それぞれの発症頻度が低いことより, 予後を一元的に評価することは困難であったが, この方法は悪性軟部腫瘍の予後の評価に有用と考えられた。