気体, 液体, および超臨界状態のCO2圧入による砂岩試料の比抵抗変化

2007 
地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)の地中貯留が有望視されている。CO2地中貯留の実現には,地中貯留に適した帯水層の評価手法と圧入CO2のモニタリング技術の精度向上が欠かせない。本研究では,比抵抗探査によるモニタリング精度向上を目指し,高圧容器を用いた模擬地層水で飽和させた岩石試料へのCO2圧入および岩石比抵抗の経時計測を行った。実験では気体,液体,超臨界状態それぞれのCO2注入による,岩石試料の比抵抗の時間変化を計測した。試料は直径5cm,長さ12cmのベレア砂岩を用いた。その結果,CO2圧入に伴う比抵抗の上昇が計測され,計測値は初期比抵抗に対し2~3倍上昇した。比抵抗変化は初期圧入時からCO2飽和率が十分高まった時点まで全区間にわたり観測された。また,計測した比抵抗からアーチーの式を用いて置換率の推定を試みた。推定値は,岩石試料から排出された模擬地層水の量から計算される置換率と近い値を示し,比抵抗による置換率の推定が有効である可能性が示唆された。これらの結果は,比抵抗探査によるCO2地中貯留モニタリングの有効性が実用的な範囲内にあることを示唆する。また,液体と超臨界状態のCO2は気体状態に比べ置換率が高くなる結果となった。
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