Antagonistic effects of cyproterone acetate on testosterone propionate induced acceleration of bone wound healing and growth in castrated rats

1990 
発育中のラットの実験的骨創傷の治癒と発育に対するtestosterone propionate (TP) の影響とTPに対するcyproterone acetate (CPA) の拮抗作用を検討した。ラットの睾丸を3週齢で除去し, 1週間後に頭頂骨に創傷孔を形成し, TP (1, 2, 5mg/kg) およびCPA (5, 10, 20, 40mg/kg) の単独または併用 (TP 1mg/kg+CPA 10mg/kg, TP 2mg/kg+CPA 20mg/kg) 2週間皮下投与を行い, 体重, 頭頂骨創傷孔面積, 大腿骨長径および臓器重量を測定した。また, TP2mg/kgおよびCPA20mg/kgの単独・併用投与についてはさらにcalcium (Ca) 量, hydroxyproline (HP) 量を測定した。その結果, 1) 睾丸除去群は非除去群に比較して有意に体重が減少し, TP投与群では用量依存的な体重の増加がみられ, CPA投与群では10, 20, 40mg/kgで逆に有意の減少がみられた。TP+CPAの併用投与群ではCPAはTPの作用に拮抗した。2) 骨創傷孔面積の縮小は睾丸除去後, 非除去群に比べて有意に遅延し, TP投与は創傷孔面積の縮小を用量依存的に促進し, 睾丸除去による創傷治癒遅延を有意に抑制した。3) TPの競合拮抗薬であるCPAの単独投与は高用量で創傷孔面積縮小促進が有意にみられた。TPとの併用によりCPAはTPの抑制作用に拮抗傾向を示し, 睾丸除去群の値に近ずいた。4) 睾丸除去群は非除去群に比較して有意に大腿骨長径の発育が遅延し, TP投与群では長径の発育の促進がみられ, 特に2および5mg/kgで著しかった。TP+CPAの併用投与群ではCPAはTPの作用に拮抗した。5) 頭頂骨創傷部のHP量は睾丸除去により有意に減少し, TP投与によりこの減少は抑制され, CPAはTPの作用に拮抗した。同様の傾向はCa量および頭頂骨非創傷部のHP量およびCa最でもみられたが, 創傷部HP量の変化ほど明瞭ではなかった。6) 前立腺, 精嚢, 肛門挙筋のいずれの相対湿重量も睾丸除去による減少, TPによる増加, CPAのTPに対する拮抗作用が明瞭に認められた。以上のことから, 骨創傷治癒および発育にTPは促進的に働き, CPAはagonistantagonistとしての作用をもつことが示唆された。
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