モリンとの錯形成速度の差を用いるスズ(II)共存下でのスズ(IV)の蛍光定量

1996 
錯形成速度の差を用いるスズの分別定量法を開発する目的で,スズ(II)及びスズ(IV)とモリンとの錯形成反応の平衡と速度を,硫酸及び過塩素酸酸性で蛍光光度法で研究した.酸濃度0.5~3Mで錯形成に要する時間は,スズ(II)については硫酸中では5秒程度,過塩素酸中では10秒程度,スズ(IV)については硫酸中では3~8分,過塩素酸中では1分程度であった.これらの結果と生成する錯体及びモリン自体の蛍光強度に及ぼす酸の影響とを考慮して,スズ(II)共存下でのスズ(IV)の選択定量の条件として硫酸1.5M,モリン8×10-4Mを選んだ.この条件では,両スズ錯体の蛍光性にはほとんど差がないが,両スズ錯体の生成速度には約60倍の差がある.この反応性の差に基づき,反応開始後20秒と1分の蛍光強度の差を検量線に用いることにより,検出限界2×10-7Mで1×10-5Mまでのスズ(IV)の選択定量が可能であった.又,この方法を用いて,塩化スズ(II)の空気酸化反応を追跡した.
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