The Saving of Sulfide by Recycling Unhairing Effluents and the Preparation of Soft Upper Leather

1991 
脱毛石灰漬の排液に不足分の硫化物を添加して再び脱毛石灰漬に使用する,いわゆる脱毛石灰漬排液の循環利用により石灰裸皮を調製し,ウエットホワイトを経て,省クロム鞣しによってソフト甲革を製造し,硫化物およびクロムの削減がその製出革の性状に及ぼす影響を検討した.脱毛石灰漬排液の全窒素,揮発性窒素は循環回数の増加にともない増加したが,いおうイオン残留率(54.6%)は排液の循環利用の間ほぼ一定に保たれ,裸皮の膨潤度も著しい差異がなかった.従来法に比較し排液の循環利用の方法は硫化物の約30%を削減することが可能であった.ウエットホワイトの性状分析の結果,脱毛石灰漬排液の循環による省硫化物脱毛法をウエットホワイトの調製に適用できることを認めた.また,ウエットホワイトをクロム再鞣することにより,裸皮から省クロム鞣し(裸皮重量に対し3%クロム鞣剤使用)をする場合に比較しクロム鞣剤量を37%削減することが可能であった.以上の硫化物およびクロムを削減して製出されたソフト甲革は,物性試験,官能検査により従来法で作られたソフト甲革に比較し劣らないことを認めた.
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