来院時心肺停止症例の死亡確認後CT施行についての検討(Investigation of the advantages of and issues pertaining to postmortem CT for out–of–hospital cardiopulmest cases)

2016 
要旨 現在多くの救命救急センターで心肺停止搬送例に対してCTによるAutopsy imaging(Ai)が行われている。より正確な死因究明が求められている現状で,死亡確認後CTについての利点と問題点を自験例で検証した。検証は青梅市立総合病院(以下,当院)における3年間の心肺停止搬送例679例を対象例として,CT所見とその内訳,蘇生処置時間との関係,CT施行できなかった搬送例の問題点などを個々の診療録から調査した。この結果,CTで死因と考えられる所見を認めたのは54%で,所見の内訳は内因性のものでは急性大動脈病変が最も多いのが特徴であった。救急科医師と放射線科医師で,読影結果が食い違った割合は6.3%であった。蘇生処置に伴う変化や心停止後変化について,所見のある群とない群で蘇生処置時間の長さに有意な差は認めなかった。CT施行費用は主に患者側からの徴収で,病院持ち出しとなったのは3.2%であった。検査技師,スタッフへの業務上の負担などの問題は記録からは確認されなかった。現状でAiとしてのCT検査は病院の業務範囲でも死因究明に貢献している。読影の問題はAi特有の所見についての習熟や専門機関の利用で改善の余地があり,残存する費用の問題も法整備で解決できる余地がある。今後,救急科医師への負担を軽減しつつAiの情報を蓄積していくことを,死因究明だけでなく蘇生時の心停止の原因検索にも役立てていくべきと考える。
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