栄養成長期初期における子実用ソルガム(Sorghum bicolor(L.)Moench)の光合成関連形質に関する遺伝的多様性
2011
本研究では,遺伝的多様性に富む8品種の子実用ソルガムを用いて,栄養成長期初期の光合成関連形質における品種間差異を解析した.材料の持つ遺伝的多様性を明らかにするために,15箇所の単純反復配列の差を利用して遺伝子型多型解析を行った.その結果,用いた品種は3つの大きなグループに分類された.日本と韓国で収集された3品種は同一のグループに属したが,アフリカ4カ国で収集された5品種は異なる3つのグループに分類された.光合成速度および5種類の光合成関連形質(葉面積当たりのリブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ,ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ,窒素,可溶性タンパク質およびクロロフィル含量)において有意な品種間差異が見られた.遺伝子型多型解析によるグループ間で明確な傾向は見られなかった.光合成速度は成長速度の指標である初期の草丈との間に有意な正の相関が見られたものの,他の光合成関連形質との間に有意な相関関係はなかった.本研究の結果から,ソルガムには光合成関連形質に関して大きな遺伝的多様性が存在し,多様性を利用した改良が可能であることが示された.更に,初期の成長を改良するためには,シンク等の他の形質を考慮する必要があると考えられた.
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